複雑時計

時計以外の機能が増えて複雑化した腕時計

クロノグラフ

時計本来の時刻を表示する機能に加え、ストップウォッチの機能も組み込んだ時計のことをクロノグラフといいます。 文字板上に複数の小ダイアルを配置した外観しているのが特徴です。 この機能を初めて備えた腕時計は1915年ブライトリング社によって発表されたもので、飛行機の操縦士用に開発されました。 ストップウォッチ用の針が2本ある場合はスプリットセコンドといいます。 ミニッツリピータとは、時計の側面にレバーを引くと鐘の音色や回数で現在時刻を音でも知らせてくれる機構のことです。 クォーツ時計のアラーム機能にも似ていますが、機械式でこれを実現するためには非常に高度な技術が必要となります。

ムーンフェイズ

月が描かれた円盤で月齢を表示する機構のことをムーンフェイズといいます。 18世紀の天才時計師アブラアン・ルイ・ブレゲ(Abraham-LouisBreguet)が発明した機構とされます。 盤面に現れる月がきれいで、今でもムーンフェイズの腕時計は人気があります。 永久カレンダーは現在時刻だけでなく、月や日、曜日や暦年が全て表示できる機構です。 これは4年に1度の閏年も補正の必要が無い、完璧なカレンダーを備えています。 通常のカレンダーでは閏年は手動で調整することになりますが、この4年に一度の手間を省くことができる永久カレンダーは、 その手間以上に価値があると考える人も多いです。 そのこだわりにこそ職人の技術が込められているのです。

トゥールビヨン

トゥールビヨンとはアブラアン・ルイ・ブレゲが発明した技術で、重力による誤差を補正するために主要な部品群を一定方向に常時回転させておく機構のことです。 本来は時計本体に固定されるべき部品を常に回転させるため、非常に複雑な機構と高度な技術が要求される仕組みになっています。 今日ではかつては特殊な複雑機構と賞賛されていたトゥールビヨンも当たり前のように各メーカーから販売されています。 さらに2003年には3次元トゥールビヨンが、2005年にはダブルやトリプルのトゥールビヨンまでが登場しました。 また高い技術力を要した新興ブランドも毎年のように誕生し、セラミックやカーボン、シリコンなどの新素材への取り組みも積極的に行われています。 腕時計の進歩はこれからも時計界を賑わせることでしょう。